やっぱり治らぬ「カネボウ白斑症」

1万人余に症状が残り、4千人が未改善。「後遺症慰謝料相当」なる弥縫策では済むまい。

2014年8月号 BUSINESS

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美白化粧品「ブランシール」などを使用した人の肌がまだらに白くなってしまう、いわゆる「白斑問題」――。カネボウ化粧品が自主回収発表から1年が過ぎ、さらなる「窮地」に立たされている。昨年7月、花王出身の夏坂真澄社長は、「最後の1人が完治するまで誠意をもって対応する」と釈明する一方で、「多くの方は、使用を中止すれば回復することがわかっている」と、口走った。昨年9月には「使用中止から回復傾向を確認するまでの期間」なる資料を配布し、使用中止をした200人のうち大半が3~4カ月で改善するというデータも示した。つまり、カネボウとしては「この症状は時が経てば治っていく」と楽観視していたのだ。現実は生易しいものではなかった。6月30日現在、白斑症状が確認された1万8984人のうち、「完治・ほぼ回復」したのは7353人。使用停止から1年がすぎても1万1631人に症状が残り、このうち約4 ………

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