FATCAは「徴税帝国主義」

米国人の海外脱税封じに巨大な「投網」。日本企業も邦銀も巻き込まれ、「米国の横暴」と悲鳴があがる。

2014年8月号 BUSINESS [越境する米国ルール]

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FATCA――あわて者は本誌ファクタのことかと早とちりするかもしれない。紛らわしいがスペルが違う。米国の法律「外国口座税務コンプライアンス法」(Foreign Account Tax Compliance Act)の略称で「ファトカ」と読む。要は、米国の個人や企業の脱税逃れに網をかける法律だ。7月1日から施行されたが、銀行や証券、保険会社が対応に追われている。米国の税務署の元締めは内国歳入庁(IRS)。日本の国税庁にあたるIRSが、米国内で米国人や米国企業に徴税の投網をかけるなら当然だし、米国に拠点を持つ日本の金融機関が協力するのは当たり前だ。ところが、このFATCAは外国、つまり日本などに住む米国人が、日本の金融機関と取引した場合も徴税の対象とするのだ。そればかりか、企業については米国籍でなくても、米国人が実質的に支配しているならFATCAの対象となる。

確認を拒めば30%源泉徴収

これで脱税目的のペーパーカンパニーも ………

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