読者の声

2014年12月号 連載

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このところカジノ解禁問題がかまびすしい。経済界、政界では、観光や地域経済の振興、財政改善の観点から推進の意見も強い。

では我が法曹の世界ではどうかというと、弁護士の加入団体は、ほとんど反対もしくは反対に近い消極派である。

カジノ解禁に当たっての民間の賭博施設運営のノウハウの不足、マネーロンダリングや暴力団その他反社会的勢力の関与の恐れ、ギャンブル依存症や多重債務者の増加、青少年の健全育成への悪影響、治安・風俗の悪化といった負の問題点を指摘したが、これらを解消する具体的方法が提示されなかった。そんな現状に鑑みると、反対せざるを得ないとの意見が圧倒的である。

法曹界はカジノ解禁に対し、法律に関わる社会問題として意見表明をしている。

ジャーナリズムには、この問題につらなる経済界、政界などの背景社会の実体に迫る報道、論評を期待したい。

高下謹壱法律事務所 弁護士 高下謹壱

   

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