中国諜報機関も連座した「恥部」

国家安全省の副大臣が“汚職容疑”で失脚。私利私欲で暴走、自国の指導者まで盗聴か。

2015年4月号 BUSINESS

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習近平国家主席(兼共産党総書記)が主導する「反腐敗キャンペーン」が思わぬ波紋を呼んでいる。“トラ狩り”の対象がインテリジェンス(諜報)部門の幹部にまで及び、分厚い秘密のベールに包まれていた中国諜報機関の恥部が露呈したのだ。「国家安全省副大臣の馬建を重大な紀律違反の嫌疑で取り調べている」――。1月16日、共産党の汚職取り締まり機関である党中央紀律検査委員会(中紀委)のウェブサイトに短い発表文が掲載されると、世界のチャイナウォッチャーに衝撃が走った。国家安全省(国安省)は米CIA(中央情報局)に相当する諜報機関であり、その幹部の摘発が公表されるのは極めて異例だからだ。中国の諜報機関には国安省と人民解放軍(総参謀部情報部)の2系統がある。国安省は旧党中央調査部を母体に、公安省など複数の官庁の関係部門を統合して1983年に発足。外国での情報収集のほか、国内の ………

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