お騒がせ仏極右「ルペン父娘戦争」

大統領をめざして「悪役返上」の娘に噛みつく父。美形の孫世代も割り込んで三つどもえ。

2015年6月号 GLOBAL

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ベストセラー『21世紀の資本』を書いたフランスの経済学者トマ・ピケティと、右翼政党国民戦線(FN)の党首マリーヌ・ルペンに共通点はあるか。あるようには見えないばかりか、イデオロギー的にも二人は水と油だが、実はひとつだけある。二人とも4月16日号の米タイム誌で「最も影響力のある100人」に選ばれたことだ。 マリーヌ・ルペン(46)は1972年以来、FNを率いてきた前党首ジャン=マリー・ルペン(86)の三女で、2011年から後継者として党首の椅子に座っている。3年前には、ジャン=マリーの孫で現在25歳のマリオン・マレシャル=ルペンが政界進出を果たした。仏の右派政界に根を下ろしたかに見えるルペン一族の戦略は、三代の間に確実に進化を遂げている。

放言癖の父を出馬させず

創立者ジャン=マリーは、常に挑発的な言動を看板として掲げてきた。そのため、あえて万年野党に甘んじ、人種差別的で歴史修正主義的な ………

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