反腐敗に手詰まり「海外逃亡100人公表」

汚職幹部の特赦めぐり王岐山が意味深発言。景気減速と改革停滞の裏には官僚たちの無言の抵抗がある。

2015年6月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

中国の習近平国家主席(兼共産党総書記)が推進する「反腐敗キャンペーン」に変調の兆しが見えてきた。表向きは汚職摘発のさらなる強化を打ち出しつつ、水面下で微妙に重点をずらし始めたフシがあるのだ。4月11日、香港紙の「文匯報」(電子版)に意味深な記事が掲載された。共産党の汚職取り締まり機関である党中央紀律検査委員会(中紀委)のトップの王岐山が、ある官僚から汚職幹部の特赦の可能性について問われ、「まだその時期ではない」と答えたという内容だ。一見「摘発の手は緩めない」と言っているようだが、チャイナウォッチャーの間では「タイミングを見て特赦を制度化する可能性がある」という逆の意味に解釈する向きが少なくない。と言うのも、このエピソードは出所不明の噂ではなく、国策シンクタンク中国社会科学院の研究者で反汚職政策が専門の高波(同院廉政研究センター副秘書長)が ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。