甘ったれるな「EU支援に限界」

犠牲が大きすぎる。有権者1人あたり270万円もプレゼントするなんて。

2015年8月号 BUSINESS [崖っぷちユーロ]

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7月5日、欧州連合(EU)などが求める財政緊縮策の受け入れの是非を問うギリシャの国民投票では、緊縮策に「OXI」(ノー)とした投票は61%に達したが、投票率は有権者990万人のうち62%と驚くほど低かった。「OXI」は有権者の3分の1に過ぎないのに、アレクシス・チプラス首相は“圧勝”と胸を張り、ギリシャはユーロ諸国から債務を免除されて当然と考えたのだ。ユーロスタットの調査によると、今年1月時点のギリシャの月額最低賃金は700ユーロ弱。これはユーロ圏のうち5か国の水準を上回り、リトアニアやラトビアの2倍もある。一部債権国より「金持ち」のギリシャ人400万人近くが、欧州中央銀行(ECB)の緊急流動性支援(ELA)も含めると、ユーロ圏への2500億ユーロ近い債務について、借金棒引きの賛成票を投じたことになる。前回の2010年ギリシャ危機では、「民間投資家関与」(PSI)と称して民間金融機 ………

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