「新国立」で官邸利権バトル

幻の「ジャイアンツ球場」構想の裏で、仕切る和泉補佐官。利権整理に頼んだ“助っ人”が政局の火種に。

2015年9月号 COVER STORY [ 東京五輪「炎上」第3幕]

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土壇場でチャブ台返しの快感に酔ったのか、安倍晋三首相が新国立競技場整備計画の「白紙撤回」を表明した7月17日、うっかり口を滑らした。「1カ月ほど前から見直せないか検討してきた」。水面下でいち早くプランBを進めていたのである。5月連休前から杉田和博官房副長官が文部科学省の事務方トップを呼び、首相官邸は「文科省と事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)に任せていては混乱を収拾できない」との判断に傾いていた。そこへ5月18日、建設費500億円負担をめぐる東京都の舛添要一知事との軋轢が表面化、これが世論を炎上させ、内閣支持率まで押し下げて官邸も憂慮し始めた。

稲田・後藤田がナベツネ詣で

下村博文文科相は終始、“蚊帳の外”のピエロだった。ドイツで開かれたサミットから帰国した安倍首相に6月12日朝、短時間面会したが、うまく調整してくれと言われただけで具体的な指示はなかった。東京五輪組織委の ………

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