横浜市「育鵬社教科書」採択は茶番

「開かれた採択」とは名ばかり。黒幕が暗躍する出来レース。騒動嫌いの林市長は雲隠れ。

2015年10月号 LIFE

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横浜市が来年度から4年間、公立中学校で使う歴史と公民の教科書に、愛国心の醸成に重点を置く育鵬社版を採択した。4年間で11万人がこの教科書で学ぶことになり、影響は大きい。教科書採択において、史実や社会制度に多様な解釈がある社会科は、中立性が重視されてきた。一方、近年は「自虐史観」を是正しようと、育鵬社などの教科書も登場。日本の神話や歴史上の人物を詳しく紹介し「面白い」との評価があるが、「戦争を美化している」などの批判もある。それだけに、社会科教科書の採択は耳目を集めた。4年前も横浜市は育鵬社版を選んだ。この時、同社版の全国シェアは4%で少数派。横浜市がこのうち半分以上を占めたため、「少数派の中の巨人」と揶揄された。今年の採択では6%にシェアが上昇したものの、まだ少数派だ。前回は憲法9条改正を唱える「保守派」市長、中田宏氏の時代に選ばれた教育委員が ………

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