ホンダ社長は「ゆでガエル」

就任から半年経っても「八郷カラー」が見えないのは経営判断を鈍らせ、懸案を先送りしているから。もはや衰退の坂道。

2016年2月号 BUSINESS [将来の飯のタネなし]

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主力車「フィット」の度重なるリコール(回収・無料修理)や、タカタ製エアバッグの不具合など品質問題に揺れたホンダ――。「世界販売600万台」の目標を掲げた伊東孝紳社長(62)の采配は生産拡大と販売力が噛み合わず一敗地に塗れた。現場の混乱を招いた伊東社長は辞任し、昨年6月、八郷隆弘専務(56)が社長に昇格。「ホンダらしさ」を取り戻すと宣言した。本誌2014年12月号〈ホンダ「リコール多発」の元凶〉で報じた通り、5度のリコールは「人災」であり、新型フィットの発売前から不具合が予想されていた。「開発期間とコストの圧縮を命じた伊東社長の責任は重く、引責は当然だった」(ホンダ元役員)。現場の声に耳を貸さず、気に食わないことがあるとヒラ社員でも怒鳴り散らす暴君政治に社内は萎縮し、「腰巾着」と指弾された野中俊彦常務(四輪事業本部長)らも退陣したことで「社内のムードは明 ………

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