編集後記

2009年7月号 連載

90年代初め、「FORTY LOVE(40/0)」というムックがあった。40代になった団塊世代向けで、今はもうない。テニス好きならピンと来るだろう。「ラブ」とは0点のことで「40/0」とは、あと1本でゲームになるスコアだ。「本当は『0/40』というタイトルにして、絶体絶命の意味にしたかったけど、語呂が悪くて」と編集長が笑っていた。▼当時、日経出版局の編集委員だった久さん(石田久雄氏)である。6歳年上だが、日経では社会部同期だった。私はただの新人、彼は週刊誌記者を経た途中入社である。文章も取材も知識もまるで歯が立たない。酒も強かった。故田中小実昌とのサヤ当てなど、ゴールデン街の武勇伝も数々あり、六本木、半蔵門、赤坂、新宿……お酒の師匠も務めてくれた。その彼が6月5日、癌で逝った。▼前の日、病院を見舞ったばかりの訃報。息子さんの電話を聞き、彼が創刊した「FORTY LOVE」を本棚か ………

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