令和の「バカ査定」/ラピダス支援に9200億円

「ラピダスは研究開発の委託事業です。TSMCとは違います」と、早くも経産省内では予防線を張ることを忘れない。

2024年6月号 BUSINESS [身の程知らず]

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令和の「3大バカ査定」の一つになりそうである。財務省主計局のくだした半導体関連の予算措置の判断についてである。とりわけ北海道千歳市に建設が進むラピダス社に対して、累計9200億円も投じることを容認した点について、省内の財政規律重視派から厳しい視線を浴びせられている。「政治に弱すぎる」と。いまは主計局から外れたポストにいる財務省の高官は、そう嘆いている。1~2年で人事異動する官公庁の幹部人事サイクルのせいで、ラピダスの支援策は財務省主計局の歴代の担当次長にわたって行われてきた。最初の担当次長が2022年11月にラピダスへの最初の支援策を決めたとき、投入された金額は700億円だった。その次の担当次長は23年4月に2600億円を追加すると決めた。そして斎藤健経産相は今年4月2日、ラピダスへ5900億円の追加支援をすると発表した。これで累計9200億円になる。

補正予算で雪だるま式に膨張

経産省の要求す ………

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