連載/商略「探照灯」/稀代の「イビデン」㊤/100年前から「事業創出経営」

2026年8月号 BUSINESS [商略「探照灯」]

高性能半導体パッケージ基板で7~8割の世界シェアを持ち、AI(人工知能)ブームで株価が急騰しているイビデン。114年前の創業時の社名は「揖斐川電力」だった。創業者の立川勇次郎(1862~1925年)は美濃大垣(現在の岐阜県大垣市)藩士の次男に生まれ、独学で法学を修め郷里で代言人(弁護士の旧称)を本業としながら英語教師を務めていたが、24歳の時に一念発起し上京。炭鉱経営や医薬品向けのヨードカリ(ヨウ化カリウム)の製造などに取り組んだが、経験不足やせっかちな性格が災いし、いずれも上手くいかなかった。転機は1889年、東京の市街地を走る電気鉄道の免許を出願した事業家から代言人の経験を買われ、法務手続きを依頼された。出願した「蓄電池式電気鉄道」は路面電車の国内第1号を目指す案件だったが、政府は時期尚早と判断し却下した。その後「日本のエジソン」の異名を持つ藤岡市助(18 ………

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