連載/病める世相の心療内科/閉塞社会に湧く「濁った怒りの泡」/遠山高史・精神科医

2026年9月号 LIFE [病める世相の心療内科]

近くに住む50ぐらいの独り者は、大量の飲酒と喫煙で、肝硬変と肺気腫になった。このおかげで仕事ができなくなっていたが、10メートル先のゴミ置き場にゴミを出さず、庭に積み上げている。町内の役員が注意に訪れると、体調不良でゴミ置き場まで運べない、お前が取りに来るかゴミ収集車を家の前まで来させろと激昂気味にいきまく。それは難しいとやんわり説明すると、以後町内会費を支払わなくなった。高齢とはいえない歳で、ヘルパーを頼む費用も安くはないが、食事は車を運転してコンビニなどで調達しているから家から一歩も出られないわけではない。働かない40過ぎの男が、眠れる薬をよこせと来院。福祉の窓口で、病院にいけば自己負担なしで薬をもらえると言われたという。福祉事務所発行の診療依頼書を持っていれば出しうるが、その日は土曜日で、役所に確認の電話をしても誰も出ない。わざわざ土曜 ………

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