連載/商略「探照灯」/「国策」の追い風に乗る名村造船所

2026年10月号 BUSINESS [商略「探照灯」]

「名村造船、大型ドック新設 佐賀・伊万里 国内17年以来――」。こんな見出しの記事が日本経済新聞朝刊1面トップを飾ったのは8月20日のこと。名村造船所(東証スタンダード上場)が主力生産拠点を置く佐賀県伊万里湾に液化天然ガス(LNG)運搬船などの建造が可能な大型ドックを新設すると報じられた。高市政権が昨年11月に閣議決定した総合経済対策の1つ「造船業再生1兆円投資構想」に乗じる動きとして注目を集めた。同社の創業は1911年(明治44年)。大阪鐵工所(後の日立造船、現カナデビア)の職長を務めていた名村源之助(1878~1968年)が安治川河口(現在の大阪市此花区西九条付近)で個人経営の「名村造船鉄工所」(名村造船所の前身)を立ち上げた。名村家では源之助が6歳の時に死去した父・源兵衛が生前築港事業に失敗し田畑を失ったため、家族の生活は困窮。四男の源之助は早々に手に職をつけ ………

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