連載 病める世相の心療内科

曖昧不耐性の若者が増えている

2024年4月号 LIFE [病める世相の心療内科(87)]

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外来には人間関係に悩む人々がおびただしく訪れる。そういった人々の治療をしていると、昨今、人との関係をうまく作れなくなって、そのストレスから、気持ちが不安定になっている人が増えている様子がうかがえる。不登校は、SNSで悪口を書かれたとか無視されたとか、1回程度のことで起こる。私が小中学生だった60~70年前、いじめは暴力的で、集団で行われることもあったが、不思議と助ける子供も現れ、いじめられっ子が学校を休むことはなかった。私が30代の頃、高校の同級生から、海外出張のたびに違法なものを買ってこいと命じる上司がいて困ると、吐露された。ドイツ製の飛び出しナイフを命じられ、空港で捕まりかねない要求であったが、断れずに買ってきたという。同僚たちとの結びつきが捨てがたく、会社を辞めるには至らなかった。当時は、人間関係は会社を辞める原因になり得なかった。ガソリン ………

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