岸田訪朝「誘い水」/「拉致8人」帰還見通しゼロ

北から首脳会談の可能性を吹聴され、これに踊る揣摩臆測が、政権与党内で飛び交っている。

2024年4月号 POLITICS

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北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記の報道官ともいえる妹の金与正・党副部長が2月に岸田文雄首相の訪朝に言及。日朝が対話を模索しているとの見方が強まり、首脳会談開催の可能性にまで言及する気の早い憶測記事も出ている。だが、日本政府と被害者家族らが拉致問題解決の条件として求めてきた行動を、北朝鮮が取る見通しは全く見えない。このまま北朝鮮との関係を動かそうとするなら、被害者家族の反発は必至。岸田政権に膠着状態を打開する目算と覚悟があるのか――。

「8人死亡報告」を突き返す

拉致問題の核心は、小泉純一郎首相が訪朝した時に聞かされた、横田めぐみさんら8人の被害者が亡くなったという北朝鮮側の主張を突き崩し、8人を帰還させられるかどうかにかかっている。この線から少しでも外れた結末は受け入れないという被害者家族らの要求が、日本政府の対北朝鮮外交を縛ってきた。北朝鮮がこの要求に応えるか、或い ………

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