泥沼内紛の「神社本庁」は「式年遷宮」を担えるか

居座る田中恆清総長と打田文博神政連会長のツートップ。頼みの綱の安倍派全体は液状化。盛者必衰の理か。

2024年4月号 DEEP

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神社界の頂点に立つ伊勢神宮(正式名称は「神宮」)は、20年ごとの「式年遷宮」がよく知られている。総額500億円以上を投じて社殿などをすべて新調し、神体を移す最重要の神事だ。令和初となる次期遷宮は9年後の2033年10月だが、準備は今年からスタートする。作業に取りかかる公式の合図として、遷宮の9年前に天皇陛下の「聴許(許し)」を得る習わしになっているからだ。前回の第62回式年遷宮(13年)にならえば、この4月にも神宮トップの大宮司に聴許が下り、準備委員会が発足する。それが今回、大事業を円満に遂行できるのかと、危ぶむ声が後を絶たない。伊勢神宮を縁の下で支えるべき総本山・神社本庁が、氏子不在の権力欲に支配されているためだ。伊勢に注ぐ五十鈴川の清らかさとは裏腹に、本庁は不祥事の巣窟になっている。

奇手を繰り出し「田中再選」

こうした事態を招いた張本人と言われるのが、田中恆清総長(79)と、 ………

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